どーも、美容師のハッタさんです。
美容師をやるとなると必要な道具がありまして、揃え始めるとキリがないくらいいろんなものが販売されているんです。
あれこれ欲しいものはたくさんあっても、いざ揃えるとなるとそれ相応の金額になってしまいます。
▼ほんの一例でどんなものが必要になるか
- ハサミ(切る用)
- ハサミ(すく用)
- コーム
- ダッカール
- シザーケース
- ブラシ類
- ウィッグ(マネキン・練習用)
- クランプ(ウィッグ固定用)
簡単にパッと思いついたものでもこんな。なんですが、これ全部個人で用意するべきものです。
お店によっては貸出してくれるところもあるようですが、大半のお店はこのくらいは自分で用意しておけよって感じかと思ってます。
で、これだけ用意したいけど各種かなりいろんな種類があるんです。だから美容師になろうと美容専門学校に入ってから準備するものがあり、美容師になってからも必要な道具を揃えなければいけません。
美容師って美容師になるだけでもものすごくお金がかかるんですね。
リアルな話、美容師やってるとお金なんて貯まりません。
低賃金で始まり売れてきたとしても道具にお金がかかる。
洒落にならん職業です(笑)
ということでタイトルの通り今回は『美容師のハサミ』にフォーカスを絞って話を進めていきます。
美容師のハサミと一般的なのハサミの違い
髪を切る用のハサミなら100均にも売っているのになにが違うの?
ということを考えるかもしれませんね。
たしかに髪の毛用のハサミってどこにでも売ってます。
それと美容師用のハサミは何が違うのかってなったら私はいつもイメージしやすいようにこんな説明をします。
例えばダンボールを切る時に素手でビリッと引き裂いていくと断面がガシャガシャですよね。ダンボールをハサミできると断面がスパッと切れてますよね。
髪の毛も同じで安物の普通のハサミできるとガシャガシャになって、美容師用のハサミで切るとスパッと切れるんです。
美容師用のハサミはびっくりするきらい鋭利で砥ぎたてのハサミは触れただけで指を切ったりします。たぶん買いたての包丁よりも鋭いです。
「切る」という作業でできるかぎり髪の毛に負担をかけないように、職人さんによってめちゃくちゃ鋭く砥がれています。
普通のハサミはそんな鋭さはありません。歯の部分を指でなぞっても切れることはないはず。
こういったハサミは「切る」ではなく「擦り切る」といったイメージ。噛み合わせが悪いハサミの場合は「千切る」です。
髪の毛を擦り切ってしまうと断面がボロッボロなので、その切り口は即日〜数日後には枝毛になっちゃいます。
ということで、美容師のハサミと一般的なハサミは何が違うのってところは《断面が違う》ですね。
美容師のハサミの値段
私、美容師になると決まってから手に入れたハサミは9丁だったかな。(ハサミは丁で数えます)
美容学生の時に3丁、大きめのハサミと小さめのハサミ、梳きバサミ。
美容師になってから7丁、切る用のハサミ3丁、梳きバサミ3丁、質感調整用のハサミ1丁。
あ、10丁持ってました
たぶん一般的な美容師からしてみると、購入したハサミの数は少ない方なんじゃないかなと思っています。
ハサミマニアみたいな人もいますからね。
私、物持ちが良い方なので気に入ったら長〜く使い続けます。
美容学生時代のハサミの値段
3丁とも3万円以下のハサミだったはず。
なので美容学生時代は10万円かかってないですね。
この各ハサミを美容師になってからも使う美容師さんもいるかもですが、かなりビギナー用のハサミなのでいいやつ買ったほうがいいという持論はあります。
美容師になってからのハサミの値段
全部の値段を言うのはだるいのでだいたいで言えば、
1丁=10万円前後です。
学生時代のハサミと比べても一般的な常識と比べても、非常に高いです。
常にシザーケースに入れているハサミの数は4丁なので、仕事中は40万円+αを腰にぶら下げて仕事をしていると思っていただいていいです。
中には1丁20万円以上もするハサミもありますが、私は使ったことがないので違いはわかりません。聞いた話ではメンテナンス期間が長いと聞いたので、せっかく高いお金払っても使い勝手が悪そうだから絶対に買いません。
美容師のハサミの値幅は普通に使うもので約5万前後〜高くても20万円くらいかなと思っています。
20万円を超えてくるハサミもありますが、もはやハサミをオシャレに見せるための装飾のための金額です。どこぞの美容室のオーナーさんがこういったものを使ってるのをみたことあります。
儲かってますね笑
美容師用のハサミの値段が高い理由
上でも少し書きましたが『刃が非常に鋭い』です。
これは素人が砥ごうと思っても絶対無理。ハサミなので2枚の刃の噛み合わせも考えないといけません。職人あってのハサミですね。
あとはただのステンレス製の鋼材というわけではなく、何度もハサミを開閉したとしても磨耗が少なく長期にわたって使用できるようにモブリデンコバルト鋼・ステライト・ハイス鋼・ダマスカスなどの丈夫な材質が使われています。
刃先は非常にうすく鋭いのに、硬い髪の毛を切っても磨耗しにくい材質であるからこそ職人さんありきなんです。扱いが難しいんですよね。
自分の手に合ったハサミは10年以上使い続けることもできます。そういった意味では多少高くてもいいものを使う方が大切かなと思ってます。
ハサミのメンテナンス
美容師のハサミは硬い鋼材でできているとはいっても、度重なる開閉や硬い髪の毛を切るなどで鋭利な刃先もやや尖りを失います。ふとした時に切れ味の悪さに気付いたり、指を挟んで切れなかった時に「あ、砥がなきゃ」って思います。
ハサミを研ぐときは代理店にお願いしたり、直で工場に行ってお願いしたりします。
ハサミ1丁を砥ぐ代金はハサミの大きさ(インチ)によって変わったりしますがだいたい2000〜4000円くらいではないかなと。
切るお客様の数やハサミの使い方のクセにもよりますが、年に1〜3回くらいは砥ぎをお願いしている気はします。
ハサミを購入するだけでお金がかかるのに、いい状態を維持するのにもお金がかかってしまうのでなんともコスパの悪い職業です。
美容師のハサミの値段についてのまとめ
こういったハサミの値段についてのことを知ると、普段なにげなくあなたの髪を切っている美容師さんをみる目が少しは変わるんじゃないでしょうか。
値段をいちいちひけらかす美容師になりたいとは思いませんが、道具って意外と高いんですよってことを知っていただけたらなと思って執筆しました。
美容師をしている以上、いい道具を使って、いい仕事をして、いい気持ちでお客様から対価を支払っていただるようにといつも思っています。
もしもこれから美容師になりたいなと考えている学生さんは『道具にはお金がかかる』という覚悟を持っていてください。